聖明福祉協会は、老いが幸せであるために献身し、礼節を重んじ、日々謙虚に仕事の重要性を自覚し、実践し、人間愛の思想を基に、高齢視覚障害者の「明るく楽しい豊かな老後」を具現するとともに、奨学金制度により若き盲大学生に夢と希望の灯をともすことを創立・経営の理念としています。
聖明福祉協会では、3つの施設を運営しています。
・盲養護老人ホーム 聖明園 曙荘
・特別養護盲老人ホーム 聖明園 寿荘
・特別養護老人ホーム 聖明園 富士見荘
今回のお話をお伺いした特別養護盲老人ホームの聖明園寿荘様では、盲老人および高齢化にともなう虚弱や認知症などにより、重度の介護が必要な方々の「明るく楽しい豊かな老後」の実現と、盲大学生への奨学金貸与による育英事業を通じて、老人福祉の向上と、視覚障害に対する社会の理解を深めていただくことに努めておられます。
特別養護盲老人ホーム 聖明園 寿荘は、JR青梅線東青梅駅が最寄り駅となり東京都青梅市の高台に位置しております。当施設は都会の喧騒から離れた豊かな自然のなかにあり、ご利用者様は散歩などを通じて四季を愉しむことが出来ます。
また、東京都では唯一の視覚障害を持つ高齢者を受け入れている施設となり、目がご不自由であっても安心して生活できるような環境を整えております。
私どもの施設に入所されてからもその方が生きてきた歴史を重んじて、楽しく暮らしていただくという目標を職員一同が意識して取り組んでいます。
しかしながら認知症や身体機能の低下から転倒してしまったり、転落してしまうことがあり骨折などの重大事例が年3~6件発生していました。このような事故を防ぐ手立てはないものかを検討する中で、電子機器や介護ロボットの導入を前向きに取り組むことにしました。
見守りロボットのネオスケア(Neos+Care)を設置してから現在まで骨折などの重大事故は発生していません。(2022/6月時点)
今後もICTの力を借りて、ご利用者様が快適に生活ができるようにさまざまな介護ロボットの導入を検討していきたいと考えています。
"貸出してもらったネオスケア(Neos+Care)を
実際に使ってみて、現場の職員の方たちの声が
「欲しい」・「うちの施設には必要だ」と
いうことだったので導入を決めました。"
今までの見守りは人の手で行うことが最優先でした。なので事故が発生したときの対策としては、見守りの強化・遵守の強化の一辺倒でした。しかし今後介護業界の人材不足であったりとか、利用者様の状況などを考えると人力でカバーすることに限界を感じて、24時間365日見守りができる電子機器の導入に踏み切りました。
やはり現場の職員の声が最も大切です。見守りにおいて現場の課題を洗い出して、その上で現場の職員さんからの希望を聞いてそれに即した機器の情報を集めました。
貸し出しを実施している機器を確認して、実際に貸し出しを実施して頂きました。そうでないと施設にとって必要かどうかがわかりませんので、その上で現場の声をヒアリングして実際に「欲しい」「うちの施設には必要だ」ということから導入を決定しました。
見守りにおいての現場課題は、業務を行っていたり、ケアワーカー室から遠い居室へ見に行かなければ状況がわからないというふうなものでした。事故につながるような行動を検知した場合に、すぐさまそれが確認できて映像で危険かどうかも判断ができる…そのような機器が必要でしたのでネオスケア(Neos+Care)に決定しました。
導入前にネオスケア(Neos+Care)に関する研修はあまり行っていません。一番行ったのは施設・これからの介護業界において、次世代介護機器とか介護の機械が今後は絶対に必要であるということの職員への周知でした。それによりネオスケア(Neos+Care)が入ったときにスムーズにその機器を使うことができました。
録画機能が大変に優秀です。検知の前後を録画してくれるので利用者様の状態・行動を把握できるために、より具体的に事故対策ができることが非常に助かっております。カメラにより職員の良い行動やよいケアも見れますので職員のモチベーション向上にも繋がっています。
画像で確認できますので、訪室の時間(機会)を減らすことができたことが最も大きいですが、副産物として職員との会話の中である利用者様が大体何時ぐらいにトイレに行くからそれに対応するケアの時間割を作れて、時間的な余裕ができたというような話を聞きました。職員の方がうまくネオスケア(Neos+Care)を活用して、利用者様の行動把握に繋がっているケースがあることがわかりました。
「LIFE」がはじまってからケア樹の運営会社であるグッドツリーさんには、さまざまな帳票を追加していただいています。
現在は、帳票に入力をしてそれを出力し、「LIFE」の方に転送することで簡単にLIFEへの対応ができています。
最大の課題であった見守りについては、ネオスケア(Neos+Care)をはじめ多くの見守り機器を導入したことで改善されています。
今後迫りくる介護人材不足に対応するためには更なるICT化・機器化というのが必要になってきますので、今後も情報収集をして必要な機器があれば導入していきたいと思っております。